弁護士 上椙 裕章
2021年03月16日(火)
ウデン
ウデン
10数年前に英会話を習っていたころのこと。
講師の1人が来日して間もないオーストラリア出身の男性で、彼が「オカイ、オカイ!」と連呼しているのが「OK」だと気づくのにしばらく時間を要した。
その彼から「日本ではウデンという食べ物がお薦めと聞いた。どこへ行けば食べれるのか?」と聞かれた。
「ウデン」・・・ミルクボーイでも答えが出せないのではないかと思われる難問である。
もう少し特徴を教えてくれと話すと「暖かい料理」「スープがある」と特徴を話してくれた。どっちも暖かいし、スープがあるといえばある。
「ヌードルか?」と聞くと分からないという。「大根とか卵とか入っているか」と聞いても分からないという。
彼にウデンを薦めた人の適当さを嘆きながら、二人で正解を探すが、ヒントが少なすぎることに加えて、英会話を習い始めた日本人と来日して間もないオーストラリア人、会話も満足にできない二人では答えにたどり着けない。
結局、「うどん」と「おでん」を両方食べてみるよう拙い英語で伝えた。
今でも、うどんを食べていると時々思い出す。果たしてウデンとは何だったのか。
おでんなのかうどんなのか、それとも未知なる食べ物があったのか。
答えは永遠に分からない。私の英会話能力もあの日のまま変わらない。
弁護士 上椙裕章