弁護士 福田 浩
2011年02月21日(月)
北海道のホッケ
若かりしころ、お金を貯めて初めて北海道へ旅行したとき、ホッケを食べました。その美味かったこと!あのときの感動が忘れられず、先週、30年ぶりに北海道へ旅行し、ホッケをいただきました。やっぱり美味しかったのですが、残念ながら、以前のような感動はありませんでした。
さすがに舌が肥えたのかなとも思ったのですが、考えてみると、感動しなかったのは他にも原因がありそうです。初めて喫茶店で食べたソーセージ入りのナポリタン、生まれて初めて飲まされたときのビールの苦み。どれもこれも、美味かった感動をもう一度とばかり、その後おそらく何百回も食したと思いますが、最初に味わった感動を超えたことはありません。
人間の味覚は、実は、視覚や嗅覚などとの総合作用だと聞いたことがあります。例えば青色は食欲を減退させる色だそうで、そういえば青色の食品を想像すると、あまり美味そうには見えません。私の場合、多分、初めて食したときのシチュエーションが、味覚に作用して、感動を呼んだのかもしれません。北の大地北海道へ初めて足を踏み入れた感激、背伸びした気分で初めて喫茶店に入った緊張感、見られてはいけないという背徳感…。
そうであれば、もしかすると、普段食べなれた食品でも、シチュエーションを工夫すれば感動的な味わいになりそうです。そうか、何の変哲もないおむすびと卵焼きのお弁当でも、公園の陽だまりで食べると、とてもおいしく感じますよね。今度、ホッケで試してみようかななどと考えています。
弁護士 福田浩