弁護士 谷脇 裕子
2019年08月28日(水)
夏の終わりに
我が家の冷蔵庫の側面は、小さなギャラリーになっている。
小6の姪は、洋服のデザイナーをしている彼女のお母さんに似て、小さい頃からとても器用で物作りが大好き。
そんな姪は、ことあるごとに私たち夫婦に手作りのプレゼントをくれる。折り紙あり、切り絵あり、スケッチあり・・・。どの作品も、なんともかわいらしいのだが、何より凝っていて、制作に一切の妥協がない。プレゼントに添えられたお手紙もまたかわいらしい。
とはいえ、がさつな私は、プレゼントをもらっても、その場で愛でたらおしまいで、その辺に無造作に放置してしまうのだが、アーティストの夫が、彼女の魂のこもった作品群を見過ごすことはなかった。1点、また1点と増える度に、神経を研ぎ澄ませて構成を考えながら、冷蔵庫横のスペースに飾っていく。そうしているうちに、気付けば全体が大きなコラージュ作品となり、今では我が家のキッチンの主役となっている。
そういえば、彼女のお母さんは、我が家に遊びに来た際、しみじみと「この家に持って来ると作品を大事にしてもらえるね。」なんて言ってくれていたっけ。
そんな冷蔵庫ギャラリーも、いよいよ余白が埋まり、いっぱいになりつつある。さてさて、この先どうしようか・・・なぁんて考えてみたりもするが、彼女ももうすぐ中学生。こんな風に当たり前に彼女の“新作”を拝ませてもらえる日も、そう長くはないのかもしれない。
2019年 夏の終わりに。