弁護士 中岡 正薫
2018年12月06日(木)
壺算
弁護士の中岡です。
ある計算上手の男が大きい壺を買うために近所の雑貨屋に行きます。
店の主に聞くと、小さい壺は3円、大きい壺は6円とのこと。
男は一旦小さい壺を3円で購入し(3円を払います)、その後、再び店に戻り、実は大きい壺が欲しかったので小さい壺と大きい壺を取り替えて欲しいとお願いをします。
男のお願いを了承した主に、男は言います。
「私は最初に3円を払いましたね。そして、この小さい壺を3円で下取りしてもらうと、合計6円になります。それじゃあ、6円払っているので大きい壺をもらっていきますね。」
店の主はおかしいと思いながらも、何度計算しても6円になるため、混乱します。
そして、最後には、泣きながらこう言います。
「あの・・・小さい壺も持って帰ってもらえませんか。いただいた3円もお返ししますので。」
これが古典落語の「壺算」のネタです(少し改変しています。)。
早口で流れるような男の説明を聞くと、本当に男の言っていることが正しいように聞こえてしまいます。
そして、最後の店の主の台詞、パニック時の人の心理を見事に描いていますね。
年末年始は詐欺が多発する時期らしいので、皆様是非お気をつけください。