弁護士 上椙 裕章
2017年10月30日(月)
備中松山城
現存12天守ってご存じですか?
江戸時代以前に建築された天守が残っているお城が日本に12あります。
今回訪れたのは、現存12天守のうち、岡山県高梁市にある備中松山城です。最近では、大河ドラマ「真田丸」のオープニングに使われたお城として有名ですね。
10年前に訪れたときは存在してなかったと思われるシャトルバスを降りて、20分ほど歩くと(大した距離ではありませんが、城巡りというより、軽い登山です。)、眼前に石垣がそびえ立ちます。息を切らせながら登山道としか思えない道を歩いていると、本当にこの先にお城があるのだろうかと不安を覚えたりもしますが、ここまで歩いてきた甲斐があったと思わせてくれる素敵な石垣です。
石垣が見えてくれば、あとはほんの少し階段が多いお城巡りにすぎません。天守は、姫路城などの天守と比べると非常にコンパクトなかわいらしい天守ですが、こんな山の中で頑張って建っていたと思うと愛おしくなります。よくこんな山の中にこんなお城を作ろうと思ったものです。資材を運んだ労働者の苦労が忍ばれます。
少しだけ、うんちくをお話しさせてもらいますと、備中松山城は、現存12天守唯一の山城で、明治の廃城令の際に、あまりにも高所にあって壊すのが大変だったので、「破却済み」と報告だけして放置されていたため、天守が壊されずに残っていた奇跡のお城です。歴史から忘れ去られて荒廃していくばかりだった備中松山城に再び光があてられたのは、大分から赴任してきた歴史担当教師が昭和2年に行った調査報告でした。この報告書が地元で反響を呼び、そこから城郭の修復が始まったのです。
それが今では雲海に浮かぶ天空の城として名高いお城となるのですから、分からないものですねえ。
皆さんも、週末あたり、お城を巡る歴史ロマンの旅に出かけてみませんか?
弁護士 上椙裕章