弁護士 中岡 正薫
2017年10月02日(月)
ヒルクライム
弁護士の中岡です。
「先日、富士山を登ってきました。」
この言葉を聞いたとき、皆さんはどのような絵をイメージしますか?
防寒具を着て登山リュックを背負い、杖をつきながら・・・、そういう姿ではないでしょうか。
しかし今回、私が初めて挑戦してきたのは、富士山を足ではなく自転車で登るという自転車競技の大会「キング・オブ・ヒルクライム富士山」です。
ヒルクライムという自転車競技の大会の中でもかなり難易度が高いとされるこの大会。大会概要には、「コースは前代未聞の標高差、東京スカイツリー3本分の1,800m。距離は26.5㎞。ゴール地点の標高は2,400mです。」との記載があり、東京ドーム○個分的なお馴染みの脅し文句に戦々恐々とさせられます。
さらにネットで調べてみると、富士山下から富士山5合目までの坂道、平均勾配6.9%、最大勾配は10.5%というこれまた凄いのか凄くないのかも不明な情報。ロードバイク乗りではあるものの、数字を気にして練習するほどの上級者でもないため、「まあ、とりあえず無心でペダルを漕いでゴールを目指そう。」とシンプルかつ安易な考えで大会を迎えます。
そして、いよいよ大会本番。
朝4時半に静岡県の三島駅を出発し、集合場所である水が塚駐車場を目指します。ところが到着時間の設定を見誤り、会場に到着した時点で既に出走〆切間近。着替えも早々に朝ご飯も食べられず、またトイレに行く時間もないまま大会が始まります。
レース序盤から坂からの坂、坂が終わればまた坂、当たり前ですが登坂しかありません。そして中盤からは坂の傾斜もきつくなっていき、平地では軽すぎて前に進まない1番軽いギアでさえ漕ぐことが困難になっていきます。さらに高地に行くにつれ空気が薄くなり、呼吸も苦しくなります。
結局、最後は心折れそうになりながら、ふくらはぎも吊りそうになりながら何とかゴール。完走はしたものの、正直言って全く歯が立ちませんでした。
甘く見ていました、ごめんなさい富士山。
これまでウルトラマラソンやトライアスロンなど辛い競技に出てきましたが、苦しさの深さという意味では1番かもしれません。
ただ、ゴール後に見た景色の美しさは本当に格別でした。この景色を見たいと思って毎年参加する方もおられるのでしょうね。
私はどうかというと、「来年リベンジを!」と言いたいところですが、しばらくは心の傷を癒したいと思います。