弁護士 福田 浩
2013年09月09日(月)
やられたら、やり返す、倍返しだ。
物騒なフレーズ。誰しも、普段言いたくても、口にすることができない。半沢直樹が凄みを利かせるとき、なぜか溜飲が下がり、痺れてしまう。高視聴率をマークし、書店で平積みされているのも、さもありなんと頷ける。
「バブル入行組」という共感できる世代背景もあるかもしれない。でも、この痛快さ、久しぶりの勧善懲悪ストーリーにありそう。水戸の御老公、遠山の金さん、最近では(そうでもないか…)青島巡査部長。そういえば、「事件は会議室で起きてるんじゃない。現場で起きてるんだ」に、サラリーマン時代、セールス現場が長かった私は、思わず涙してしまいました。
日曜日の夜分という時間帯も、よく練られている。「サザエさんはゆかいだな♪」と、日曜日が終ってしまった、ちっともゆかいではない現実に引き戻される。でも、午後9時からは、悪い奴らに「やられたら、やり返す、倍返しだ」、嫌なアイツに言ってやろうか、などと妄想しながら、月曜日からの「闘争」の英気を養えるのである。そんなことはできないと分かっていながらも。ドラマの録画視聴が主流の現在において、高視聴率を取っているのは、この点にもあるのではないだろうか。
弁護士 福田浩