弁護士 福田 浩
2013年01月22日(火)
アイフォン5考
ドコモのスマートフォンを購入したばかりであったが、アイフォン5が発売されるや、ふらふらっとショップに吸い込まれ、「キャンセルが出ました。今日お持ち帰りできますよ。」という、まったく見え透いていながら、私の心理を正解したセールストークによって、その場で即決して、乗り換えてしまった。
「人は、自らの行動を説明する、後ろめたい行動は、必ず正当化する生き物である。」というのは、ソクラテスやプラトンは知らないが、私が編み出した人生訓である。おしゃれなアップルのスマートフォン。この点だけでも購入する価値はあるが、周りから、「おっ、買ったの。」と言われる、空虚ではあるが、何とも言えない優越感にしばし浸れるのも、その否定し難い魅力と言えるかもしれない。
後ろめたい行動を正当と唱えることによって、周囲は迷惑を被ることは、数々の社会的事件をみるまでもなく、周知の事実である。通話とメール機能しか使わない、アプリを探すのが大変、ドコモからも発売される???、ドコモを使っている妻との家族割、無料通話の融通がなくなってしまう。最後の点は、妻に「じゃあ、私にも、アイフォン5を買って。」という、誠にとるに足らない主張に、いささかの理由を与えてしまう点で、極めて深刻である。
ところが、私が自慢げに見せびらかしたこともあってか、我が事務所でも、アイフォン5に乗り換える人が次々と出てきてしまった。中には、後悔している人もいるやに聞き及んでいる。今更、自己責任でしょ、とは言えないので、この場をお借りして、「ガラパゴス携帯で必要にして十分です。私は舞い上がって買っちゃいました。無思慮、軽薄でした。ごめんなさい。」と謝罪しておく。
弁護士 福田浩