弁護士 上椙 裕章
2012年11月13日(火)
86
週末、車検のためにディーラーへ車を預けに行った。
すると、隣に
「AREA 86」なんてブースがある。
「『AREA86』?エリアといえば『88』だろ?」なんて思ったりしたが、どうやら『86』専用のショールームらしい。
「ハチロク」・・・私が20歳のとき、免許を取って初めて買った車だ。
型式AE86のカローラレビンとスプリンタートレノ。
後継車のAE92と区別するため、「ハチロク」「キューニー」と呼ばれていた。FRレイアウトで、コンパクトなボディに高回転まで小気味よく回るエンジンを積み、スポーツカーとしては決して速くはないが、車を操ることの楽しさを教えてくれる車だった。学生にはお値段もお手頃だった。
私が買ったのは、赤黒のツートンカラーのレビン。イニシャルDの藤原拓海が乗るパンダトレノではなく、私は赤黒のレビンが欲しかった。
当時、新潟に住んでいた私は、毎晩のようにシーサイドラインや弥彦峠に走りに行った。決して速くはない『86』は、峠の上りではアルトワークスやミラターボといった鬼のように速い軽自動車にあおられ、下りではワンダーシビックやスタタボにつつかれ続けた(実は私の腕が悪かっただけ?)。
弥彦峠でガードレールに突き刺さって「♪ドナドナ~」とレッカー車に引かれていったこともあった。改造費や修理費を合計すると普通のファミリーカー新車2台分くらいはかかったと思う。
仕送りとバイト代を、ガソリン代や修理費、改造費に費やし、電話も電気もよく止められた。電話、電気、ガス、水道を止められるというグランドスラムを達成したことも何度かある。
でも、楽しかった。
間瀬サーキットも走った。初めてのサーキット走行はすごく興奮した。
RX-7(FC-3S)に乗り替えるまでの6年間、ハチロクに乗らなかった日は数えるほどしかなかったと思う。
あれから20年が過ぎ、トヨタがその名もずばり『86』を作った。ショールームに飾られているのを横目で見たけど格好いい。
カタログでスペックを確認したけど、きっとこれは楽しい。
来週あたり試乗に行ってみようかな。
もし、気に入ったりしたら・・・
ねえ奥さん、iPhone5はあきらめるから『86』買っていい?
弁護士 上椙裕章