弁護士 福田 浩
2012年02月13日(月)
出生動向基本調査~別の視点から~
国立社会保障・人口問題研究所の「出生動向基本調査」によると、「異性の交際相手がいない18~34歳の未婚者が男性61%、女性49%に上り、ともに過去最高となった」そうである(平成23年11月26日付中國新聞より引用)。みなさんは、この調査結果をどのようにお考えになられるだろうか。
中國新聞の記事見出しは、「恋愛「氷河期」進む」である。記事をお読みになった昭和世代の方々は、私を含め、最近の若者は、覇気もなければ、色気もない、しっかりせい、などとお怒りではなかろうか。
もっとも、18~34歳の未婚男性の61%は異性の交際相手がいないのに対し、異性の交際相手のいない18~34歳の未婚女性は49%にすぎない。この「割合の性差」に着目すると、視点の変わった分析ができる。最近、草食系男子、肉食系女子と言われているように、女性の方が恋愛に積極的である。男子は、もっと頑張らなくては、とも考えられる。進んで、異性の交際は「1対1」が原則と考えると、異性の交際相手のいる18~34歳の未婚女性の「割合の有意な多さ」が気に掛からないだろうか。もちろん、男性は年下の女性と交際し結婚する傾向があること、18歳未満と35歳以上の統計、18~34歳の未婚男女の絶対数などを考慮しなければ、俄かに結論することはできない。しかし、自ら「異性の交際相手がいる」と判断する基準に性差はないだろうか。「1対1」の原則が崩壊していないか。つまり、…。ということは、…。
これらの大変興味深い仮説を検証する時間がないことが、とても残念である。
弁護士 福田浩